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2017年07月11日
ダイコク電機「DK-SIS白書2016」 各種指標の悪化傾向続く
ダイコク電機は7月6日、都内水道橋の東京ドームホテルで「DK-SIS白書2016」のプレス発表会を開催し、2016年における業態の厳しさを示すとともに、さらに遊技機性能が落ちることが確実視される今後の市場の課題を浮き彫りにするなどした。
発表会で挨拶に立ったダイコク電機の根本弘社長は、「白書内で昨年の業界における10大キーワードを挙げたが、ここには前向きなタイトルが見当たらず、特に依存問題で行政から課題が提起されたことによって、業界全体が落ち着かなくなっている。先に規則改正について行政から業界団体への説明があったが、その内容からは業界が進むべき道がむしろはっきりしたともいえ、これからのホール営業には、遊技客を増やすこと、稼動時間を伸ばすことが求められる。これについては、もはやまったなしの状況であり、今回、発表するDK—SISの数値を現実のものとして受け止めていただき、その上で業界を少しでも元気にさせることが私たちのミッションだと考えている」と述べるなどした。
発表された「DK-SIS白書2016」によると、年々下落の一途を辿っている業界総粗利の推計値は、今回も前の年から6%ダウンの3.11兆円となった。総売上は約10%減の20.1兆円と推計。いずれもここ数年で最大の下落幅になった。台当たりの売上は前の年の2万1070円から2万円の大台を割り込み、1万9147円になったほか、台粗利も3136円から2957円まで落ちた。台売の下落は稼動時間自体の落ち込みのほか、「検定機と性能の異なる可能性のある遊技機」など、売上性能の高い遊技機が市場から消えたことなどが影響した。
また、これを1時間当たりに換算した時間売上は330円減の4700円で、時間粗利は20円減の730円。時間売上はこれまで横這いを維持してきたが、今回はパチンコ、パチスロともにベースが上がり、以前よりも金額の消費スピードが落ちたことで大幅ダウンとなった。解説にあたったDK-SIS室の片瀬宏之室長は、「ホールにしてみると何ともいえないところだろうが、ファンの遊びやすさを考えると、業界全体にとってはいいことだと捉えたい」とした。
一方で片瀬室長は、時間売上の下落幅と比較して、時間粗利の落ち込み幅が小さい点を問題視し、「アウトが減少していく中にあって粗利率が上がっているのだから、ファンには『ホントに遊びやすくなったの?』と受け止められていることだろう。これからの遊技機は売上性能がさらに落ちることが明らかである以上、今の営業の体質といったものを本質のところから変えていかないといけない」と警鐘を鳴らした。
パチンコ、パチスロともにポテンシャルが低下したことに伴って、2016年はホールの遊技機購入意欲も大きく減退。業界総粗利が大きく下落したにもかかわらず、これから遊技機購入費用を差し引いた「遊技機利益」は前年からほぼ横這いの2.22兆円だった。
なお、ダイコク電機では今回から同白書のDK-SIS会員への無料配布を取りやめ、全面有料化に踏み切り、会員企業には特別価格を用意した。
[遊技通信web]
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